冴え返る

 

病犬の乱れし吐息冴え返る
(びょうけんのみだれしといきさえかえる)

我が家の14年連れ添った愛犬が
癌の告知を受けてから
ひと月半が経った時に詠みました。
動物を看取った経験を
お持ちの方は分かるかと
思いますが、
動物の生命力は強く、
容体は潮騒のように
緩急をつけながら
日に日に弱っていきます。
昨日までは大丈夫だったのに…
今日はあれ?おかしい!
もうダメかと思ったら
おや?今日はまだ大丈夫みたい…
“冴え返る”は
本来春の季語。
春になって
暖かくなってきたと思って
油断していると
急にまた
冬の澄んだ空気に覆われて
また寒さが戻ってくる。
春と冬を
行ったり来たり…
まさしく今の愛犬の揺れ動く
容体のようだと思いました。