木下闇(こしたやみ)

下闇にのっぺらぼうの輝けり
(したやみにのっぺらぼうのかがやけり)

別名、下闇(したやみ)、
青葉闇(あおばやみ)、
緑陰(りょくいん)とも言い、
夏の木立がうっそうと茂って、
昼ですら暗い様子を表します。

 

ただ、真っ暗闇というわけではありません。
すぐそこには、
陽光眩しい世界が広がっており、
木々の僅かな隙間からは、
まるでスポットライトのような
強い光線が差し込んでいたりして、
それはなかなかに神秘的な光景です。

この状況を敢えて「木下灯」ではなく、
「木下闇」と表現した
古人たちの感覚センサーは鋭く、
なんとも粋だなあと感じました。

強い光に晒された顔面は、
その照り返しにより
目も鼻も口も白飛びし、
”のっぺらぼう”のように見えることがあります。
木下闇のホラーをお楽しみいただければ幸いです。

About The Author

miu
「詠むように撮り、読むように観る」をモットーに、
書く・撮る・読む・詠むを通じて、
季節やことば、そして内なる叡智とつながり、
森羅万象を思索しております。
あなたにとっても、
この場がその一助となれば幸いです。

Archive List